2014年05月15日

脳内視力?

最近、脳内視力という造語を耳にすることがありました。

先日、ご来店されたお客様から

「私は脳内視力が悪いらしいので、こちらで脳内視力を
測ってもらうことは可能ですか?」

というお問い合わせをいただきました。

私は初めて聞いた脳内視力という言葉だったのですが、
どのような検査をされたのかお伺いすると
どうも簡易的な両眼視検査だったようです。

vision9.JPG

簡易検査キットはこれと同じものか絵柄が違うものらしいのですが
右眼に赤フィルター、左眼に緑フィルターをかけて検査をします。

しかし、
このサイズの絵では、特に外斜位のあるかたは一つには見えにくいです。

これで脳内視力は異常なのか?というと
そんなことはなく
右眼に緑、左に赤のフィルターを通して見れば
牛さんが一つに見えたり、
サークル内の□×○が一列に見えて
二重円も立体的に見えると思います。

また、赤緑フィルターを通してみることにより
「抑制」といって片目の情報が脳で認識ができない
状態になり、左右どちらかの絵しか見えないという
場合もあります。

また、ユーチューブでアップされていた中には
緑の縦線と赤の横線の十字視標の検査もあり、
「線が動くのは脳の中で調整している」
と解説していましたが、
これは生理的な眼球運動によりそのように見えるのであり
その動き方は斜位の量や感覚神経的に起こることであって
脳の中で調整しているという言い方は適当ではありません。


それで、脳内視力とはなんなのかというと
視覚機能のことらしいのですが

そもそも、

眼球で得た視覚情報が脳に伝達され一つの像として認識できる
のですから、
眼球視力だとか、脳内視力などと別個に分けることはできず

脳内視力という造語の意味するところは

両眼視機能に問題があるために起る
視力や立体視などの両眼視の問題のことを指しているようです。

どうやらこんな子供だましの造語を使って素人の不安を煽って
儲けようとのことのようです。

この脳内視力を謳ってセミナー商法をしている
岡山の松本康氏とは、直接は会ったことはないのですが、
以前、同じ眼鏡の研究会に所属していたことがあり
その考え方や真摯に学ぼうとしない姿勢に問題があり
研究会を去って行った人でした。
実際に両眼視機能検査については素人に毛が生えた程度の
知識しかない人でしたし、脳内視力などと意味の通らない
造語を使って恥ずかしく思わないのですから
今も当時とは変わってはいないようです。

脳内視力などと、あたかも特別な検査をやっているような
ことを言っているようですが、
日本では、多少であれ両眼視機能検査を行っている眼鏡店は
少なくない状況になっています。

松本氏は、ドイツで100年以上実施されている検査方法を
学んできたとも言っていますが、
現在のドイツ式両眼視機能検査は、
1936年のターヴィル式を踏襲して
1950年に発表されたと聞いています。

確かにドイツに行ってきたことはあるらしいのですが
旅行の際の見学程度ですから、ドイツで学んだとは言えないでしょう。

まじめな気持ちでドイツ式を学ぼうと思えば、日本にも
スペシャリストがいるわけですから
少しはまじめに勉強された方が良いのではないかと思います。

こういう人が眼鏡業界にいるのは本当に残念に思います。


※ご注意
日本でも有数のドイツ式両眼視機能検査の達人である
奈良県橿原市のジョイビジョン奈良の松本康志氏とはまったくの別人です。
ジョイビジョン奈良オプト松本


posted by yasuhiro hara at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 検査VT
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